肩こり頭痛の原因7選|その痛み、放置すると危険!専門家が教える改善策


肩こりからくる頭痛に悩まされていませんか?実はその痛み、放置すると吐き気やめまいといった症状に発展する可能性があります。肩や首の筋肉が緊張することで起こる肩こり頭痛。今回は、その原因を7つに分け、詳しく解説していきます。姿勢の悪さや目の疲れ、ストレス、運動不足といった日常的な要因から、自律神経の乱れや冷えといった体の内側の問題まで、多角的に原因を探ります。さらに、具体的な改善策として、自宅で簡単にできるストレッチやマッサージ、入浴法、そして生活習慣の見直し方などを紹介。つらい肩こり頭痛を根本から改善し、快適な毎日を送るためのヒントが満載です。

1. 肩こり頭痛とは?

肩こり頭痛とは、肩こりからくる頭痛の総称です。肩や首の筋肉が緊張することで、血管や神経が圧迫され、その結果、頭痛が生じます。その痛みは、ズキズキとした拍動性の痛みや、頭全体を締め付けられるような鈍痛など、様々です。肩こり頭痛は、一次性頭痛と呼ばれる片頭痛や緊張型頭痛とは異なり、二次性頭痛に分類されます。一次性頭痛はそれ自体が病気であるのに対し、二次性頭痛は肩こりなどの他の原因によって引き起こされる頭痛です。つまり、肩こり頭痛は、肩こりの症状の一つとして現れる頭痛なのです。

肩こり頭痛は、デスクワークやスマートフォンの長時間使用など、日常生活での姿勢や習慣が原因となることが多く、現代社会において非常に多くの人が悩まされている症状です。同じ姿勢を長時間続けることで、首や肩の筋肉が緊張しやすくなります。また、精神的なストレス不眠冷え性なども、肩こり頭痛を悪化させる要因となります。

肩こり頭痛は、肩こりの程度や原因、個々の体質によって痛みの種類や程度が異なります。そのため、自分の肩こり頭痛の特徴を理解し、適切な対処法を見つけることが重要です。

1.1 肩こり頭痛の種類

肩こり頭痛は、その原因や症状によっていくつかの種類に分けられます。代表的なものとしては、緊張型頭痛筋収縮性頭痛が挙げられます。

1.1.1 緊張型頭痛

緊張型頭痛は、頭全体を締め付けられるような鈍い痛みが特徴です。肩や首の筋肉の持続的な緊張が原因で起こり、精神的なストレスや不安、うつ病などが関係している場合もあります。慢性的に続くことが多く、日常生活に支障をきたすこともあります。

1.1.2 筋収縮性頭痛

筋収縮性頭痛は、首や肩の筋肉の過度の収縮によって引き起こされる頭痛です。突然の激しい痛みが特徴で、持続時間は数分から数時間と様々です。同じ姿勢を長時間続けることや、急激な温度変化などが引き金となることがあります。

1.2 肩こり頭痛と他の頭痛との違い

肩こり頭痛は、他の頭痛と症状が似ている場合があり、鑑別が難しいことがあります。代表的な頭痛との違いを以下にまとめます。

種類症状原因
肩こり頭痛肩や首のこりと共に、頭全体を締め付けられるような鈍痛や、ズキズキとした拍動性の痛み肩や首の筋肉の緊張
片頭痛片側のこめかみから目のあたりにかけてズキズキと脈打つような痛み。吐き気や嘔吐を伴うこともある。血管の拡張、神経の炎症
緊張型頭痛頭全体を締め付けられるような鈍い痛み精神的ストレス、筋肉の緊張
群発頭痛片側の目の奥に激しい痛みが起こり、数週間から数ヶ月続く。原因不明

上記以外にも、くも膜下出血や脳腫瘍など、深刻な病気が原因で頭痛が起こる場合もあります。強い痛み急激な症状の変化がある場合は、すぐに医療機関を受診することが重要です。

2. 肩こり頭痛の症状

肩こり頭痛は、肩こりからくる頭痛の総称です。その症状は人によって様々ですが、肩こりの症状と頭痛の症状が複合的に現れることが特徴です。肩こり頭痛の症状を理解することで、適切な対処法を見つけることができます。

2.1 肩こりの症状

肩こり頭痛における肩こりの症状は、肩の筋肉が硬くなり、重く感じる、鈍い痛みが続くといったものが一般的です。さらに、肩甲骨周辺の痛みやしびれ、首のこわばり、腕の重だるさなども現れることがあります。

症状詳細
肩の張りやこわばり肩の筋肉が硬く緊張し、動きが悪くなります。
肩の痛み鈍い痛みから鋭い痛みまで、痛みの程度は様々です。
肩甲骨周辺の痛み肩甲骨の内側や周囲に痛みを感じることがあります。
首のこわばり首の筋肉が緊張し、動きが制限されます。
腕の重だるさ、しびれ肩や首の筋肉の緊張が腕に影響し、重だるさやしびれを感じることがあります。

2.2 頭痛の症状

肩こり頭痛の頭痛の症状は、頭全体が締め付けられるような痛み、後頭部から首筋にかけての痛み、こめかみの痛みなど、様々な形で現れます。また、吐き気やめまいを伴う場合もあります。痛みの程度も、軽い鈍痛から激しい痛みまで様々です。

症状詳細
締め付けられるような頭痛頭全体をゴムバンドで締め付けられるような感覚の痛みです。
後頭部から首筋にかけての痛み後頭部から首筋にかけて、重く鈍い痛みを感じます。
こめかみの痛みこめかみ部分がズキズキと脈打つように痛みます。
吐き気頭痛がひどい場合、吐き気を伴うことがあります。
めまい平衡感覚が失われ、ふらつきを感じることがあります。

2.3 その他の症状

肩や頭の痛み以外にも、自律神経の乱れによって様々な症状が現れることがあります。例えば、身体のだるさ疲労感睡眠の質の低下集中力の低下イライラしやすくなるといった症状が現れることがあります。これらの症状は、肩こり頭痛を悪化させる要因にもなるため、注意が必要です。

これらの症状は、他の病気の症状と似ている場合もあるため、自己判断せずに、気になる症状がある場合は、医療機関に相談することが大切です。

3. 肩こり頭痛の原因7選

肩こり頭痛は、肩こりからくる頭痛の総称です。その原因は一つではなく、複数の要因が複雑に絡み合っていることが多いです。ここでは、肩こり頭痛の主な原因を7つ解説します。

3.1 筋肉の緊張

肩や首周りの筋肉が緊張すると、血行が悪くなり、筋肉に老廃物が蓄積されます。これが神経を刺激し、痛みを引き起こします。デスクワークやスマートフォンの長時間使用など、同じ姿勢を続けることで筋肉が緊張しやすくなります。特に、僧帽筋や肩甲挙筋、頭板状筋、胸鎖乳突筋などの筋肉が緊張することで、肩こり頭痛が起こりやすくなります。

3.2 姿勢の悪さ

猫背や前かがみの姿勢は、肩や首周りの筋肉に負担をかけ、緊張状態を招きます。長時間のデスクワークやスマートフォンの使用などで姿勢が悪くなりがちです。正しい姿勢を意識することで、筋肉への負担を軽減し、肩こり頭痛の予防につながります

3.3 目の疲れ

パソコンやスマートフォンの画面を長時間見続けると、目の筋肉が疲れてきます。この目の疲れが、肩や首の筋肉の緊張につながり、肩こり頭痛を引き起こすことがあります。適度に休憩を取り、目を休ませることが大切です。

3.4 ストレス

ストレスは自律神経のバランスを崩し、筋肉の緊張を高める原因となります。精神的なストレスだけでなく、身体的なストレスも肩こり頭痛の要因となることがあります。ストレスをうまく解消する方法を見つけることが重要です。

3.5 運動不足

運動不足は、筋肉の柔軟性を低下させ、血行不良を招きます。適度な運動は、血行を促進し、筋肉の緊張を和らげる効果があるため、肩こり頭痛の予防に効果的です。ウォーキングやストレッチなど、無理のない範囲で体を動かす習慣を身につけましょう。

3.6 冷え性

体が冷えると、血行が悪くなり、筋肉が緊張しやすくなります。特に、女性は冷え性の方が多いため、肩こり頭痛に悩まされる方も少なくありません。体を温める工夫をすることで、血行を促進し、肩こり頭痛の予防・改善に繋がります。

3.7 自律神経の乱れ

自律神経は、体の機能を調整する重要な役割を担っています。ストレスや不規則な生活習慣などにより自律神経のバランスが崩れると、交感神経が優位になり、血管が収縮しやすくなります。その結果、血行不良となり、肩や首の筋肉が緊張し、肩こり頭痛を引き起こすことがあります。規則正しい生活を心がけ、自律神経のバランスを整えることが大切です。

原因具体的な例関連する筋肉
筋肉の緊張長時間のパソコン作業、スマートフォンの使いすぎ僧帽筋、肩甲挙筋、頭板状筋、胸鎖乳突筋
姿勢の悪さ猫背、デスクワークでの前かがみの姿勢僧帽筋、肩甲挙筋、脊柱起立筋
目の疲れパソコン作業、スマートフォンの長時間使用、細かい作業眼輪筋、後頭筋
ストレス仕事、人間関係、環境の変化全身の筋肉
運動不足運動習慣がない、デスクワーク中心の生活全身の筋肉
冷え性薄着、冷房の効いた部屋での長時間滞在全身の筋肉
自律神経の乱れ不規則な生活習慣、ストレス、睡眠不足全身の筋肉

4. 肩こり頭痛を放置するとどうなる?

肩や首のこり、そして頭痛を我慢して放置してしまうと、様々な体の不調につながる可能性があります。初期症状では肩こりのみ、頭痛のみといった場合でも、次第に症状が悪化し慢性化してしまうと、吐き気やめまい、自律神経の乱れに繋がることがあります。放置することで日常生活に支障をきたすような症状に発展してしまう前に、適切なケアを行うことが大切です。

4.1 吐き気や消化不良

肩や首の筋肉が緊張することで、自律神経のバランスが乱れ、吐き気や消化不良を引き起こすことがあります。胃の不快感や食欲不振といった症状が現れる場合もあります。また、慢性的な肩こり頭痛は、精神的なストレスを増大させ、これもまた消化器系の不調につながる可能性があります。

4.2 めまい

肩こり頭痛によって引き起こされるめまいは、回転性のめまいや浮遊感など様々な形で現れます。首や肩の筋肉の緊張は、脳への血流を阻害し、めまいを引き起こす一因となります。また、自律神経の乱れもめまいの原因となることが知られています。

4.3 自律神経失調症

慢性的な肩こり頭痛は、自律神経のバランスを崩し、自律神経失調症を引き起こす可能性があります。自律神経失調症は、めまい、動悸、息切れ、発汗、倦怠感、不眠など、様々な症状を引き起こすため、日常生活に大きな支障をきたす可能性があります。長引く肩こり頭痛を放置することで、自律神経の乱れがさらに悪化し、より深刻な症状に発展する可能性も懸念されます。

4.4 うつ病

慢性的な痛みは、精神的なストレスを増大させ、うつ病のリスクを高める可能性があります。肩こり頭痛によって日常生活に支障が出るようになると、精神的な負担が増し、うつ病の発症につながることがあります。また、自律神経の乱れも、うつ病の発症と密接に関係していると考えられています。

放置した場合のリスク具体的な症状
吐き気・消化不良胃の不快感、食欲不振、消化不良など
めまい回転性めまい、浮遊感など
自律神経失調症めまい、動悸、息切れ、発汗、倦怠感、不眠など
うつ病気分の落ち込み、意欲の低下、不眠、食欲不振など

これらの症状は、肩こり頭痛を放置することで起こりうる代表的なものです。症状の重さや種類は個人差があります。少しでも気になる症状がある場合は、早めに専門家へ相談することが大切です。早期に適切な対処をすることで、症状の悪化を防ぎ、健康な状態を維持することに繋がります。

5. 肩こり頭痛の改善策

肩こり頭痛を改善するためには、その原因に合わせた適切なアプローチが重要です。ここでは、日常生活で実践できる改善策をいくつかご紹介します。

5.1 ストレッチ

肩や首周りの筋肉の緊張を和らげるためには、ストレッチが効果的です。毎日継続して行うことで、血行促進や筋肉の柔軟性を高めることができます。

5.1.1 肩甲骨はがし

肩甲骨周りの筋肉を動かすことで、肩こりの原因となる筋肉の硬直をほぐすことができます。肩甲骨を意識的に動かすことで、周辺の血行が促進され、筋肉の緊張が緩和されます。

  • 両腕を前に伸ばし、手のひらを合わせます。
  • 息を吸いながら、両腕を頭上に上げます。
  • 息を吐きながら、両肘を曲げ、肩甲骨を寄せ合うようにします。
  • この動作を数回繰り返します。

5.1.2 首のストレッチ

首の筋肉の緊張は、頭痛を引き起こす要因の一つです。首をゆっくりと回したり、傾けたりすることで、筋肉の緊張を和らげ、血行を促進します。

  • 頭をゆっくりと右に倒し、数秒間保持します。
  • 次に、頭をゆっくりと左に倒し、数秒間保持します。
  • 同様に、頭を前後に倒すストレッチも行います。
  • これらの動作を数回繰り返します。

5.2 マッサージ

肩や首周りのマッサージは、筋肉の緊張を和らげ、血行を促進する効果があります。入浴後など、体が温まっている時に行うとより効果的です。ただし、強い痛みを感じる場合は無理に行わないようにしてください。

5.3 入浴

温かいお風呂に浸かることで、全身の血行が促進され、筋肉の緊張が和らぎます。38~40度程度のぬるめのお湯に15~20分程度浸かるのがおすすめです。入浴剤を使用するのも良いでしょう。

5.4 運動

適度な運動は、肩こり頭痛の予防と改善に効果的です。ウォーキングや水泳など、全身を使う有酸素運動は、血行促進やストレス軽減にも効果があります。無理のない範囲で、継続して行うことが大切です。

5.5 生活習慣の改善

日常生活における姿勢や睡眠、食事などの習慣も、肩こり頭痛に大きく影響します。これらの習慣を見直し、改善することで、肩こり頭痛の予防と改善につながります。

5.5.1 睡眠

質の良い睡眠は、体の疲労回復に不可欠です。睡眠不足は、自律神経のバランスを崩し、肩こりや頭痛を悪化させる要因となります。毎日同じ時間に寝起きする、寝る前にカフェインを摂取しないなど、睡眠の質を高める工夫をしましょう。

5.5.2 食事

バランスの良い食事は、健康な体を維持するために重要です。特に、ビタミンB群やマグネシウムは、筋肉の緊張を緩和する効果があります。これらの栄養素を積極的に摂取するように心がけましょう。

栄養素含まれる食品
ビタミンB1豚肉、うなぎ、玄米
ビタミンB6マグロ、カツオ、バナナ
ビタミンB12レバー、魚介類、卵
マグネシウムアーモンド、ひじき、ほうれん草

5.6 病院での治療法

日常生活での改善策を試しても症状が改善しない場合は、病院を受診し、適切な治療を受けることが大切です。専門医による診断と治療を受けることで、症状の悪化を防ぎ、根本的な改善を目指せます。

肩こり頭痛の改善策は多岐に渡ります。自分に合った方法を見つけ、継続して実践することが大切です。症状が改善しない場合は、自己判断せずに医療機関を受診しましょう。

6. 肩こり頭痛の病院での治療法

肩や首のこりからくる頭痛は、日常生活に支障をきたすつらい症状です。我慢せずに医療機関を受診することで、適切な治療を受けることができます。ここでは、病院で行われる肩こり頭痛の治療法についてご説明します。

6.1 薬物療法

肩こり頭痛の薬物療法では、主に痛みを抑える薬と筋肉の緊張を和らげる薬が用いられます。

6.1.1 痛み止め

痛みを抑える薬としては、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)が広く使用されています。ロキソニンやボルタレンなどが代表的な薬です。これらの薬は炎症を抑え、痛みを軽減する効果があります。ただし、胃腸障害などの副作用が現れる場合があるので、医師の指示に従って服用することが重要です。

6.1.2 筋弛緩薬

筋肉の緊張を和らげる薬として、筋弛緩薬が処方されることがあります。これらの薬は、筋肉の緊張を緩和することで、肩や首のこりを和らげ、頭痛を軽減する効果が期待できます。

6.2 トリガーポイント注射

トリガーポイント注射は、痛みの原因となっている筋肉の特定の部位(トリガーポイント)に局所麻酔薬やステロイド薬を注射する治療法です。トリガーポイントに直接薬剤を注入することで、筋肉の緊張を緩和し、痛みを軽減する効果があります。即効性がある治療法として知られていますが、効果の持続期間は個人差があります。

6.3 理学療法

理学療法は、運動療法や物理療法を用いて、身体の機能回復を目指す治療法です。肩こり頭痛に対しては、肩や首周りの筋肉の柔軟性を高めるストレッチや、筋力を強化するトレーニングなどが行われます。また、温熱療法や電気刺激療法などの物理療法も併用されることがあります。理学療法は、根本的な原因の改善を目指す治療法であり、継続的に行うことで、肩こり頭痛の再発予防にも繋がります。

治療法内容効果
薬物療法痛み止めや筋弛緩薬を服用痛みや筋肉の緊張を軽減
トリガーポイント注射トリガーポイントに薬剤を注射痛みを軽減、筋肉の緊張を緩和
理学療法運動療法、物理療法身体機能の回復、再発予防

これらの治療法は、症状や原因に合わせて単独または組み合わせて行われます。どの治療法が適切かは、医師の診察によって判断されますので、自己判断せずに医療機関を受診し、適切な治療を受けるようにしましょう。

7. まとめ

肩こり頭痛は、筋肉の緊張や姿勢の悪さ、目の疲れ、ストレス、運動不足、冷え性、自律神経の乱れなど、様々な原因で引き起こされます。放置すると吐き気や消化不良、めまい、自律神経失調症、うつ病など、深刻な症状につながる可能性もあるため、早めの対処が重要です。

改善策としては、肩甲骨はがしや首のストレッチなどのストレッチ、マッサージ、入浴、運動、睡眠や食事などの生活習慣の改善が有効です。症状が重い場合は、医療機関を受診し、薬物療法、トリガーポイント注射、理学療法などの治療を受けることもできます。ご自身の症状に合わせて適切な方法を選択し、つらい肩こり頭痛から解放されましょう。